バクスミー ® (グルカゴン点鼻粉末)
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バクスミー(グルカゴン点鼻粉末)の副作用である頭痛の発現状況、発現機序、対処法は?
本製剤との因果関係を問わないTEAEとして頭痛は、国内第III相臨床試験(IGBJ試験)で1例(1.4%)、海外第I相臨床試験(IGBI試験)で10例12件(14.3%)に認められました。
[解説]
本製剤との因果関係を問わないTEAE*として頭痛は、国内第III相臨床試験(IGBJ試験)で1例(1.4%)、海外第I相臨床試験(IGBI試験)で10例12件(14.3%)に認められました。いずれも重篤な有害事象とは判断されず、1日以内に消失しました1)。
頭痛の明確な発現機序は不明です。
*treatment emergent adverse event、治験薬の初回投与後に発現又は悪化した事象
表1.頭痛が消失するまでの時間1)
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国内第III相臨床試験 (IGBJ試験) |
海外第I相臨床試験 (IGBI試験) |
1時間未満 |
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2件 |
1時間以上2時間未満 |
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2件 |
2時間以上4時間未満 |
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4件 |
4時間以上12時間未満 |
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3件 |
12時間以上24時間未満 |
1件 |
1件 |
参考:
・一般的発現機序:頭痛に関与する主な部位は頭蓋内血管および硬膜である。硬膜領域では硬膜のほか、硬膜動脈、頭蓋内静脈洞で痛覚を感受する。また内頸動脈、中大脳動脈および前大脳動脈の近位部など脳底部の主幹動脈では痛みを感じ、その刺激は同側の眼周囲、前額、側頭部に放散痛を生じる。椎骨脳底動脈、後下小脳動脈近位部も疼痛を感じ、痛みは耳介後部から後頭部に放散する。これらの部位から生じる痛覚について頭蓋内のテント上では三叉神経が関与し、テント下の硬膜、静脈洞、硬膜動脈では顔面神経、舌咽神経、迷走神経および上位頸髄神経の関与が知られている。なお脳実質は痛覚を感受しない。薬剤の副作用により出現する頭痛もこれらの部位が関係すると推察されるが、詳細については明らかでない。「一酸化窒素(NO)供与体誘発頭痛」ではNOが、また「ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬誘発頭痛」では、PDE阻害により増加するcAMPないしcGMPが、脳血管の拡張を誘発し、脳血管や硬膜に分布する痛覚神経が影響を受け、頭痛が生じるのではないかと考えられている2)。
・一般的対処法(抜粋):薬剤使用後急性に起こる頭痛では、早期発見は不可能である。薬剤を処方する際には、患者に副作用として頭痛が出現する場合があること、頭痛が出現しても薬剤を変更すれば頭痛が改善する可能性のあることなどを説明し、薬剤を自分で中断せずに、まず主治医を受診するように指導を行うことが早期対応のポイントとして重要である2)。
[引用元]
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バクスミー申請資料概要CTD2.7.4.2.1.1.6.2(承認時評価資料)
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重篤副作用疾患別対応マニュアル「頭痛」(平成22年3月改定)(厚生労働省ホームページ)(最終アクセス日:2022年9月8日)
最終更新日: 2022年09月
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