オルミエント ® (バリシチニブ)
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<COVID-19>COVID-19患者に対してオルミエント(バリシチニブ)を投与する適切な投与タイミングは?どの重症度の患者に投与したらよいか?
バリシチニブはSARS-CoV-2による肺炎患者のうち、酸素吸入、人工呼吸管理又は体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行ってください。
[解説]
<新型コロナウイルス感染症:COVID-19>
バリシチニブはSARS-CoV-2による肺炎患者のうち、酸素吸入、人工呼吸管理又は体外式膜型人工肺(ECMO)導入を要する患者を対象に入院下で投与を行ってください1)。
厚生労働省が公開している新型コロナウイルス感染症診療の手引き(第5.3版)※における重症度分類は以下の通りです2)。本分類に準じた場合、中等症でかつ酸素投与が必要な患者(中等症Ⅱ)又は重症患者がバリシチニブの投与対象患者となります。
重症度 |
酸飽飽和度 |
臨床状態 |
診療のポイント |
軽症 |
SpO2≧96% |
呼吸器症状なし or 咳のみで呼吸困難なし いずれの場合であっても肺炎所見を認めない |
・多くが自然軽快するが、急速に病状が進行することもある ・リスク因子のある患者は入院とする |
中等症Ⅰ 呼吸不全なし |
93%<SpO2<96% |
呼吸困難、肺炎所見 |
・入院の上で慎重に観察 ・低酸素血症があっても呼吸困難を訴えないことがある ・患者の不安に対処することも重要 |
中等症Ⅱ 呼吸不全あり |
SpO2≦93% |
酸素投与が必要 |
・呼吸不全の原因を推定 ・高度な医療を行える施設へ転院を検討 |
重症 |
|
ICUに入室 or 人工呼吸器が必要 |
・人工呼吸器管理に基づく重症肺炎の2分類(L 型、H 型) ・L 型:肺はやわらかく、換気量が増加 ・H 型:肺水腫で、ECMO の導入を検討 ・L 型からH 型への移行は判定が困難 |
※新型コロナウイルス感染症診療の手引きは定期的に更新されています。最新情報は最新の手引きをご確認ください。
[引用元]
[略語]
COVID-19 = SARS-CoV-2による感染症
CPAP = 持続陽圧呼吸療法
ECMO = 体外式膜型人工肺
SARS-CoV-2 = 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス-2
SpO2 = 経皮的動脈血酸素飽和度
最終更新日: 2021年9月
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