レットヴィモ ® (セルペルカチニブ)
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レットヴィモ(セルペルカチニブ)の標的であるRETとは何か? RET遺伝子異常と癌の関連は?
RETは、腎臓及び腸壁神経系の正常な発達や、成人の神経組織、神経内分泌組織、造血細胞及び雄性生殖細胞などの組織の維持に重要な役割を果たす受容体型チロシンキナーゼです。 RET遺伝子の変化は、複数の異なる組織由来の腫瘍で確認されており、腫瘍形成のドライバー遺伝子として機能していることが明らかになっています。
RET(rearranged during transfection)は、腎臓及び腸管神経系の正常な発達や、成人の神経組織、神経内分泌組織、造血組織及び雄性生殖組織などの組織の維持に重要な役割を果たす受容体型チロシンキナーゼ(receptor tyrosine kinase:RTK)です1。
正常なRETの活性化は、4種類のグリア細胞株由来神経栄養因子(GDNF)ファミリーリガンド(GFL)のうちの1つが結合することによって始まります。RETは対応するリガンドに直接結合しませんが、代わりにRETの共受容体であるGDNFファミリー受容体α(GFRα)の活性に依存します。GFL とGFRα複合体の仲介によってRET が二量体化すると、RET の細胞内ドメインのチロシン残基の自己リン酸化が起こり、続いて重要なシグナル伝達アダプターの動員、並びに細胞増殖に関与する複数のシグナル伝達経路(MAPK、PI3K、JAK-STAT 及びPKC 等)の活性化が起こります1-3。
RET 遺伝子の変化は、複数の異なる組織由来の腫瘍で確認されており、腫瘍形成のドライバー遺伝子として機能していることが明らかになっています1,2。
RETの活性化は、RETのキナーゼドメインとパートナータンパク(CCDC6、KIF5B、NCOA4等)の二量体化ドメインが融合することにより、リガンドに依存せず恒常的にキナーゼが活性化した状態になる染色体再構成(RET遺伝子融合)と、キナーゼが直接的又は間接的に活性化される点変異(RET遺伝子変異)の二つの機序により起こると考えられています1,2。
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Drilon, A. et al. Targeting RET-driven cancers: lessons from evolving preclinical and clinical landscapes. Nat Rev Clin Oncol. 2018; 15(3): 151-167.
利益相反:著者にLoxo Oncology社より謝礼金を受領している者が含まれる。 -
Bronte, G.P. et al. Targeting ReT-rearranged non-small-cell lung cancer: future prospects. Lung Cancer (Aukl). 2019; 10: 27-36.
最終更新日: 2021年8月
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