レットヴィモ ® (セルペルカチニブ)
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レットヴィモ(セルペルカチニブ)の副作用「高血圧」の発現機序、危険因子は?
セルペルカチニブのVEGFR阻害作用が高血圧の発現に関与している可能性はあるものの、セルペルカチニブ投与による高血圧の発現機序は明確ではありません。 また、高血圧既往歴がセルペルカチニブによる高血圧の発現と関連する可能性があります。
注意:セルペルカチニブの添付文書では「副作用」の集計結果を記載していますが、以下の解説(臨床試験での発現状況)においては、「有害事象」の集計結果を紹介しています。「有害事象」は試験期間中に生じたすべての好ましくない又は意図しない疾病・徴候を意味し、かぜや外傷等も含みます。有害事象のうち治験薬との因果関係が否定できないものが「副作用」と定義されます。
セルペルカチニブ投与による高血圧の発現機序は明確ではありません1,2。
しかしながら、セルペルカチニブはVEGFR1 及びVEGFR3に対する阻害作用を有しており、VEGFR1 及びVEGFR3 に対するセルペルカチニブのIC50 値や曝露量等を考慮すると、セルペルカチニブ投与による高血圧にはVEGFR 阻害作用が関与している可能性があります1,2。
・セルペルカチニブは野生型RET 並びに複数の変異型RET を阻害するとともに、VEGFR1 及びVEGFR3 に対しても阻害活性を示し、IC50 値は0.92~67.8 nM でした2。
・細胞アッセイで、セルペルカチニブはVEGFR3 を阻害する濃度の約8 倍以下の濃度でRET を阻害しているものの、セルペルカチニブ1回160 mgの1日2回投与時のCmax (非結合型)は301 nM であり、VEGFR1 及びVEGFR3 阻害におけるIC50 値を上回りました2。そのため、セルペルカチニブを1回160 mg1日2回投与した場合、VEGF経路を阻害する可能性は否定できません2。
・VEGF 経路の阻害は高血圧と関連していることが知られています2,3。
また、セルペルカチニブの国際共同第I/II相試験(LIBRETTO-001試験)において、高血圧の既往歴*のある患者において高血圧の発現割合が高い傾向が認められた(表)4ことから、高血圧既往歴がセルペルカチニブによる高血圧の発現と関連する可能性があります3。
表 高血圧関連事象aの発現状況の内訳4
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安全性解析対象集団(N=746) |
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高血圧の既往歴*あり (N=308) |
高血圧の既往歴*なし (N=438) |
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高血圧関連事象aの発現例数 n(%) |
129(41.9) |
150(34.2) |
グレード別内訳 (複数の重症度で評価された患者は、最大重症度で1回カウント) |
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グレード1 (軽度) |
4(1.3) |
27(6.2) |
グレード2 (中等度) |
42(13.6) |
61(13.9) |
グレード3 (高度) |
83(26.9) |
61(13.9) |
グレード4 (生命を脅かす/緊急処置を要する) |
0(0.0) |
1(0.2) |
グレード5 (有害事象による死亡) |
0(0.0) |
0(0.0) |
例数(%)
MedDRA(Version 21.0)
Treatment-emergent Adverse Event(TEAEs)は、治験薬(LOXO-292;セルペルカチニブ)の投与開始時以降に生じた有害事象と定義された。
重症度グレードはCTCAE(v 4.03)に基づく。
a:PT(基本語)「高血圧」「血圧上昇」「血圧異常」を含む5。
*:高血圧既往歴は、電子的臨床検査情報収集(EDC)による過去の診療歴に高血圧の慢性的な状況が登録されたものとし、スクリーニング時の血圧値で判断されたものではない。
最終更新日: September 2021
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