レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
レイボー(ラスミジタン)の随伴症状の吐き気への有効性は?制吐剤を併用する際の注意点は?
治験薬によって、初回服用2時間後に悪心(吐き気)が認められなかった被験者の割合に、ラスミジタン群とプラセボ群の間で有意差は示されませんでした。 なお、ラスミジタンと制吐剤(制吐薬)の併用については、添付文書上の規定はありません。
[解説]
《吐き気への有効性》
片頭痛患者を対象とした外国第III相臨床試験SPARTAN(LAHK)試験及びSAMURAI(LAHJ)試験の併合解析において、治験薬服用前に随伴症状として悪心が認められた被験者は、43.5%(1611/3701例)でした1),2)。
初回服用2時間後に悪心が認められなかった被験者の割合には、ラスミジタン群とプラセボ群の間で統計学的な有意差は認められませんでした(ロジスティック回帰モデル)(表1)1)。
表1)初回服用2時間後までの各時点で悪心が消失した被験者の割合(mITT集団)[SPARTAN(LAHK)試験及びSAMURAI(LAHJ)試験の併合解析]1)
治療群、臨床試験、片頭痛予防薬の使用の有無を共変量に含めたロジスティック回帰モデル(両側有意水準0.05)、多重性の調整なし
《制吐剤を併用する際の注意点》
ラスミジタンと制吐剤の併用については、添付文書上の規定はありません3)。
ラスミジタンと制吐剤の併用を目的とした臨床試験は実施しておりませんが、片頭痛患者を対象とした外国第III相臨床試験及び国内第II相臨床試験では、主要な評価時点である服用2時間後の評価完了後に、制吐剤の併用が許容されました4)。
なお、制吐剤の併用の有無により層別した有効性及び安全性のデータは得られていません。
【SPARTAN(LAHK)試験の概要・安全性】5-7)
試験デザイン |
第Ⅲ相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者3005例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン50mg、100mg、もしくは200mg)を発作発現後4時間以内に服用した(初回服用)。本試験では1回の片頭痛発作に対して、必要に応じて初回服用2時間後の評価完了後から初回服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のための治験薬の追加服用又は再服用をしてもよいこととした(追加服用)。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現割合は全ラスミジタン群で31.5%(611/1938例 )。全ラスミジタン群で初回服用後の最も多い副作用は浮動性めまい14.5% 。 |
【SAMURAI(LAHJ)試験の概要・安全性】7-9)
試験デザイン |
第Ⅲ相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者2231例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン100mgもしくは200mg)を発作発現後4時間以内に服用した(初回服用)。1回の片頭痛発作に対して、必要に応じて初回服用2時間後の評価完了後から初回服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のための治験薬の追加服用又は再服用をしてもよいこととした(追加服用)。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現頻度は、全ラスミジタン群で35.7%(442/1239例)。全ラスミジタン群で初回服用後の最も多い副作用は浮動性めまい13.6%。 |
上記の試験は承認時評価資料ですが、追加投与に関して一部承認外の成績が含まれることをご留意ください。 |
[引用元]
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Ashina, M. et al.:Headache, 59, 1788, 2019(CNS31615)
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レイボー申請資料概要(CTD表2.7.3.3-8)(承認時評価資料)
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レイボー添付文書
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レイボー申請資料概要(CTD表2.7.3.1-1)(承認時評価資料)
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レイボー申請資料概要(CTD2.7.6.24.1、表2.7.3.1-1)(承認時評価資料)
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社内資料(治験総括報告書 SPARTAN(LAHK)試験)
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レイボーインタビューフォーム
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レイボー申請資料概要(CTD2.7.6.23.1、表2.7.3.1-1)(承認時評価資料)
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社内資料(治験総括報告書SAMURAI(LAHJ)試験)
[略語]
CI = 信頼区間
mITT = modified intent to treat
最終更新日: 2021年12月
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