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レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、最新の添付文書をご確認ください。
片頭痛に関連した日常生活の支障に対するレイボー(ラスミジタン)の有効性は?
ラスミジタンの臨床試験成績において、初回服用2時間後に日常生活への支障度を「支障なし」と評価した被験者の割合は、プラセボ群と比較して全ラスミジタン群で高くなりました。 また長期安全性試験において、片頭痛関連の支障度をMIDASにより評価したところ、MIDAS総スコアはベースラインと比較して、3、6、9及び12ヵ月後のいずれの時点においても減少を示しました。
[解説]
片頭痛患者を対象とした外国第III相臨床試験SPARTAN(LAHK)試験及びSAMURAI(LAHJ)試験において、ラスミジタンが日常生活への支障度に及ぼす影響は、以下の通りです。
また、外国第III相長期安全性試験GLADIATOR(LAHL)試験では、片頭痛関連の支障度についてMIDAS総スコアのベースラインからの変化などを検討しました。
《SPARTAN(LAHK)試験、SAMURAI(LAHJ)試験》
初回服用2時間後に日常生活への支障が認められた被験者の割合は、全ラスミジタン群とプラセボ群との間に有意差が認められました(p < 0.05、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。初回服用2時間後に「支障なし(0)」と評価した被験者の割合は、全ラスミジタン群でプラセボ群よりも高くなりました(表1、2)1)。
表1)初回服用2時間後に日常生活への支障が認められた被験者の割合(ITT集団)[SPARTAN(LAHK)試験]1)
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プラセボ群 (n = 576) |
ラスミジタン50mg群 (n = 598) |
ラスミジタン100mg群 (n = 571) |
ラスミジタン200mg群 (n = 565) |
支障なし(0) |
143(24.8) |
187(31.3) |
193(33.8) |
209(37.0) |
軽度の支障(1) |
161(28.0) |
165(27.6) |
177(31.0) |
145(25.7) |
著しい支障(2) |
139(24.1) |
108(18.1) |
91(15.9) |
92(16.3) |
絶対安静が必要(3) |
73(12.7) |
76(12.7) |
52(9.1) |
57(10.1) |
p値* |
― |
0.019 |
< 0.001 |
< 0.001 |
例数(%)
*vs. プラセボ群、Cochran-Mantel-Haenszel検定
表2)初回服用2時間後に日常生活への支障が認められた被験者の割合(ITT集団)[SAMURAI(LAHJ)試験]1)
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プラセボ群 (n = 554) |
ラスミジタン100mg群 (n = 562) |
ラスミジタン200mg群 (n = 555) |
支障なし(0) |
119(21.5) |
181(32.2) |
180(32.4) |
軽度の支障(1) |
156(28.2) |
137(24.4) |
115(20.7) |
著しい支障(2) |
122(22.0) |
95(16.9) |
92(16.6) |
絶対安静が必要(3) |
74(13.4) |
64(11.4) |
75(13.5) |
p値* |
― |
< 0.001 |
< 0.001 |
例数(%)
*vs. プラセボ群、Cochran-Mantel-Haenszel検定
日常生活への支障度は、被験者に4段階のスケールで質問を行い評価しました(表3)2)。
表3)日常生活への支障度に関するデータの収集方法2)
患者が質問「日常生活への支障はどの程度ですか?(How much is your migraine interfering with your normal activities?)」に対して、4段階のスケールを用いて評価した。
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《GLADIATOR(LAHL)試験》
MIDAS※1総スコアの平均値は、全ラスミジタン群において、ベースラインと比較して、3、6、9及び12ヵ月後に減少しました(p < 0.001、反復測定混合モデル)。ラスミジタン群間で有意差は認められませんでした(図1)3)。
MIDAS総スコアがベースラインから5ポイント以上減少した場合、臨床的に意義のある効果があったと考えられていますが4)、5ポイント以上減少した被験者の割合は、3ヵ月後は53%超、12ヵ月後は70%以上でした5)。
図1)MIDAS総スコアのベースラインからの変化(ITT集団)[GLADIATOR(LAHL)試験]5)
*p < 0.001(vs. ベースライン、反復測定混合モデル)
※1 MIDAS(Migraine Disability Assessment)6),7)
日常生活に支障全くなし、又はほとんどなし(0~5点) 日常生活に軽度の支障(6~10点) 日常生活に中等度の支障(11~20点) 日常生活に重度の支障(21~40点) 日常生活に極めて重度の支障(41~90点)
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また、GLADIATOR(LAHL)試験において、 ラスミジタンが仕事又は学校の出欠に及ぼす影響を検討したところ、全ラスミジタン群において、ベースラインと比較して、アブセンティズム※2及びプレゼンティズム※3が3、6、9及び12ヵ月後に減少しました(p < 0.001、反復測定混合モデル)(図2)5)。
※2 病欠。MIDAS質問1により評価し、過去3ヵ月間における仕事又は学校の欠勤/欠席日数を示しました。
※3 業員が職場に出勤はしているものの何らかの健康問題によって業務の能率が落ちている状況。MIDAS質問2により評価し、過去3ヵ月間における生産性が50%以上低下した、仕事又は学校の出勤/出席日数を示しました。
図2)アブセンティズム及びプレゼンティズムのベースラインからの変化(ITT集団)[GLADIATOR(LAHL)試験]5)
*p < 0.001(vs. ベースライン、反復測定混合モデル)
《評価項目の定義》
頭痛消失 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の軽度、中等度又は重度から消失になること。 |
頭痛改善 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の中等度又は重度から消失又は軽度になること、もしくは治験薬服用前の軽度から消失になること。 |
最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失 |
治験薬服用前に最も煩わしい随伴症状(MBS)として選択された片頭痛随伴症状(悪心、音過敏、光過敏のいずれか)が消失していること。 |
【SPARTAN(LAHK)試験の概要・安全性】8-10)
試験デザイン |
第Ⅲ相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者3005例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン50mg、100mg、もしくは200mg)を発作発現後4時間以内に服用した(初回服用)。本試験では1回の片頭痛発作に対して、必要に応じて初回服用2時間後の評価完了後から初回服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のための治験薬の追加服用又は再服用をしてもよいこととした(追加服用)。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現割合は全ラスミジタン群で31.5%(611/1938例 )。全ラスミジタン群で初回服用後の最も多い副作用は浮動性めまい14.5% 。 |
【SAMURAI(LAHJ)試験の概要・安全性】10-12)
試験デザイン |
第Ⅲ相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者2231例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン100mgもしくは200mg)を発作発現後4時間以内に服用した(初回服用)。1回の片頭痛発作に対して、必要に応じて初回服用2時間後の評価完了後から初回服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のための治験薬の追加服用又は再服用をしてもよいこととした(追加服用)。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現頻度は、全ラスミジタン群で35.7%(442/1239例)。全ラスミジタン群で初回服用後の最も多い副作用は浮動性めまい13.6%。 |
【GLADIATOR(LAHL)試験の概要・安全性】13),14)
試験デザイン |
第Ⅲ相、多施設共同、前向き、無作為化、非盲検、長期投与試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する外国人成人患者2171例(LAHK試験及びLAHJ試験を完了した1355例及び765例を含む)
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方法 |
初回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められない場合に、ラスミジタン100mg又は200mgを発作発現後4時間以内に服用した。本試験では、服用2時間後の評価完了後から服用後24時間以内に、レスキュー治療又は再発治療のためのラスミジタンの追加服用又は再服用をしてもよいこととした。 |
治療する発作回数 |
12ヵ月間の期間中の複数回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現頻度は、全ラスミジタン群で41.7%(846/2030例)。全ラスミジタン群で最も多い副作用は浮動性めまい18.1% |
上記の試験は承認時評価資料ですが、追加投与に関して一部承認外の成績が含まれることをご留意ください。 |
【レイボーの国内における用法及び用量】
通常、成人にはラスミジタンとして1回100mgを片頭痛発作時に経口投与する。ただし、患者の状態に応じて1回50mg又は200mgを投与することができる。
頭痛の消失後に再発した場合は、24時間あたりの総投与量が200mgを超えない範囲で再投与できる。
[引用元]
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レイボー申請資料概要(CTD2.7.3.3.2.8)(承認時評価資料)
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レイボー申請資料概要(CTD2.7.3.1.2.3)(承認時評価資料)
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Brandes, JL. et al.:Cephalalgia, 39, 1343, 2019(CNS31610)
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Lipton, RB. et al.:Headache, 57, 165, 2017(CNS31623)
-
Lipton, RB. et al.:J Headache Pain, 21, 20, 2020(CNS31624)
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Stewart, WF. et al.:Cephalalgia, 19, 107, 1999(CNS31625)
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Stewart, WF. et al.:Neurology, 56, S20, 2001(CNS31626)
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レイボー申請資料概要(CTD2.7.6.24.1、表2.7.3.1-1)(承認時評価資料)
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社内資料(治験総括報告書 SPARTAN(LAHK)試験)
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レイボーインタビューフォーム
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レイボー申請資料概要(CTD2.7.6.23.1、表2.7.3.1-1)(承認時評価資料)
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社内資料(治験総括報告書SAMURAI (LAHJ)試験)
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レイボー申請資料概要(CTD2.7.6.26.1、表2.7.3.1-2、2.7.3.5.3.1)(承認時評価資料)
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レイボー申請資料概要(CTD付録表2.7.6.26-2)(承認時評価資料)
[略語]
ITT = intent-to-treat
MIDAS = 片頭痛の生活への支障度を見る問診票
最終更新日: 2021年12月02日
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