レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
月経時片頭痛・月経関連片頭痛に対するレイボー(ラスミジタン)の有効性は?
ラスミジタンの国内の臨床試験の部分集団解析では、月経期間中の片頭痛に対するラスミジタンの有効性が示唆されました。
[解説]
片頭痛患者を対象とした国内第II相臨床試験MONONOFU(LAIH)試験において、片頭痛発作開始時期と月経期間の関連別に、頭痛消失及び頭痛改善の部分集団解析を実施しました(表1、2)。片頭痛発作開始時期が月経開始2日前から合計5日間の場合を月経期間中、その他の場合を月経期間外としました1)。
その結果、月経期間中の集団において、服用2時間後に頭痛改善が認められた被験者の割合は、ラスミジタン100mg群とプラセボ群との間に有意差が認められました(p < 0.01、ロジスティック回帰モデル)(表2)1)。
表1)片頭痛発作開始時期と月経期間の関連別の服用2時間後に頭痛消失が認められた被験者の割合(mITT集団)[MONONOFU(LAIH)試験]1)
|
プラセボ群 |
ラスミジタン50mg群 |
ラスミジタン100mg群 |
ラスミジタン200mg群 |
期間中※1 |
0.0% (0/19例) |
(1/5例)※2 |
22.2% (6/27例) |
44.4% (12/27例) |
期間外 |
18.2% (35/192例) |
23.8% (19/80例) |
33.9%*** (61/180例) |
40.1%*** (61/152例) |
***p < 0.001(vs. プラセボ群。投与群、ベースラインでの予防薬の使用の有無を説明変数としたロジスティック回帰モデル)
※1 プラセボ群で頭痛消失が認められた被験者はいないため、月経期間中は検定を行っていない
※2 母数が10例未満のため例数のみを掲載
表2)片頭痛発作開始時期と月経期間の関連別の服用2時間後に頭痛改善が認められた被験者の割合(mITT集団)[MONONOFU(LAIH)試験]1)
|
プラセボ群 |
ラスミジタン50mg群 |
ラスミジタン100mg群 |
ラスミジタン200mg群 |
期間中 |
47.4% (9/19例) |
(2/5例)※3 |
88.9%** (24/27例) |
74.1% (20/27例) |
期間外 |
55.7% (107/192例) |
70.0%* (56/80例) |
78.9%*** (142/180例) |
78.9%*** (120/152例) |
*p < 0.05、**p < 0.01、***p < 0.001(vs. プラセボ群。投与群、ベースラインでの予防薬の使用の有無を説明変数としたロジスティック回帰モデル)
※3 母数が10例未満のため例数のみを掲載
<参考>
月経時片頭痛と月経関連片頭痛の定義について、頭痛の診療ガイドライン2021では以下の記載があります2)。
<頭痛の診療ガイドライン2021>
A1.1.1「前兆のない純粋月経時片頭痛」は、MacGregorらが提唱した基準に従い、発作は月経開始日(day1)±2日(すなわち月経開始2日前から月経3日目まで)のみに生じ、月経3周期中2周期以上で認め、その他の時期には認めないもので、A1.1.2「前兆のない月経関連片頭痛」はA1.1.1で定義した時期に加え、その他の時期にも発作を認めるものである。
なお、月経時片頭痛や月経関連片頭痛では、薬物療法やホルモン療法などが治療法として検討されています。2)。
頭痛消失 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の中等度又は重度から消失になること。 |
頭痛改善 |
頭痛の重症度が治験薬服用前の中等度又は重度から消失又は軽度になること。 |
最も煩わしい随伴症状(MBS)の消失 |
治験薬服用前に最も煩わしい随伴症状(MBS)として選択された片頭痛随伴症状(悪心、音過敏、光過敏のいずれか)が消失していること。 |
【MONONOFU(LAIH)試験の概要・安全性】3),4)
試験デザイン |
第Ⅱ相、多施設共同、前向き、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間試験 |
対象 |
日常生活への支障がある片頭痛を有する日本人成人患者846 例 |
方法 |
1回の片頭痛発作に対して、頭痛の重症度が中等度又は重度で改善が認められず、他の片頭痛治療薬を服用していない場合に、治験薬(プラセボ又はラスミジタン50mg、100mg、もしくは200mg)を発作発現後4時間以内に服用した。 |
治療する発作回数 |
1回の片頭痛発作 |
安全性 |
副作用発現頻度は、全ラスミジタン群で67.3%(321/477例)。全ラスミジタン群で最も多い副作用は浮動性めまい38.4%。 |
[引用元]
-
レイボー申請資料概要(CTD2.7.3.3.3、付録表2.7.3.6-6)(承認時評価資料)
-
「頭痛の診療ガイドライン」作成委員会(編). 日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会(監修). 頭痛の診療ガイドライン2021, p.191,192, 医学書院, 2021. https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf (2022年8月31日アクセス)
-
レイボー申請資料概要(CTD2.7.6.20.1、表2.7.3.1-1)(承認時評価資料)
-
レイボー申請資料概要(CTD付録表2.7.6.20-2)(承認時評価資料)
[略語]
mITT = modified intent to treat
最終更新日: 2022年09月
お探しの情報が見つからない場合は、こちら よりお問い合わせください。