レイボー ® (ラスミジタンコハク酸塩)
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レイボー(ラスミジタン)とエルゴタミンを併用した際の有効性、安全性は?
ラスミジタンとエルゴタミンの併用に関して、併用時の有効性データは得られていません。 安全性について、エルゴタミンは添付文書上、ラスミジタンの併用禁忌及び併用注意に設定されておらず、臨床試験の有害事象発現割合の結果や、ラスミジタンはエルゴタミンの血中濃度や血管収縮作用に影響を及ぼさないと考えられることから、併用に問題が示唆されるような、安全性上の懸念は認められていません。また作用機序の違いからラスミジタン投与前後に一定期間間隔をあける等の対応も必要ないと考えられます。
[解説]
<有効性>
エルゴタミンの併用の有無により層別した有効性データは得られていません。
<安全性>
片頭痛患者を対象とした外国第III相臨床試験CENTURION(LAIJ)試験の非盲検期において、一部の被験者でエルゴタミンの併用がみられました。有害事象の発現割合について検討したところ、ラスミジタンと同時又は投与前後にエルゴタミンを投与した場合にも、併用に問題が示唆されるような、安全性上の懸念は認められていません1)。
なお、ラスミジタンはセロトニン1F受容体に高い親和性と選択性を示すセロトニン1F 受容体作動薬であり2)、ヒト冠状動脈、内胸動脈及び硬膜動脈を用いた非臨床試験において血管収縮作用を示しませんでした3),4)。
また、ラスミジタンはエルゴタミンの代謝に関与する主な代謝酵素CYP3A4に影響を及ぼさないことが示されているため、ラスミジタンはエルゴタミンの血中濃度や血管収縮作用に影響を及ぼさないと考えられました1)。
これらのことから、併用に問題が示唆されるような、安全性上の懸念は認められておらず、本薬投与前後に一定期間間隔をあける等の対応の必要はないと考えられます1)。
《CENTURION(LAIJ)試験》
有害事象の発現割合(安全性解析対象集団)※について検討したところ、CENTURION(LAIJ)試験の全体集団は28.4%(899/3170例)、エルゴタミン併用ありの集団(ラスミジタンの投与と同時又は投与前後にエルゴタミンを投与)における投与タイミング別の有害事象の発現割合は、表1の通りでした1)。
評価例数は限られるものの、安全性に大きな問題はないと考えられました1)。
※ データカットオフ:2020年6月12日
表1)エルゴタミンの投与タイミング別の有害事象の発現割合(非盲検期)(安全性解析対象集団)[CENTURION(LAIJ)試験]1)
エルゴタミン併用 |
併用あり |
||
エルゴタミンの投与タイミング |
ラスミジタン投与24時間前~投与前 |
ラスミジタン投与時~投与2時間後未満 |
ラスミジタン投与2時間後~投与24時間後未満 |
有害事象の発現割合 |
(0/1例) |
(0/0例) |
36.4%(4/11例) |
《有害事象・副作用の定義》
有害事象(TEAE) |
治験薬投与後48時間以内の有害事象。 |
重篤な有害事象(TE-SAE) |
治験薬投与後48時間以内の重篤な有害事象。 |
有害事象(AE) |
割り付け後、試験完了までの期間のすべての有害事象。 |
副作用 |
因果関係の否定できない治験薬投与後48時間以内の有害事象 |
[引用元]
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レイボー審査報告書
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Nelson, DL. et al.:Cephalalgia, 30, 1159, 2010(CNS31613)
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Rubio-Beltrán, E. et al.:Br J Pharmacol, 176, 4681, 2019(CNS31614)
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レイボー申請資料概要(CTD2.6.2.3.2.2、2.6.2.3.2.3、2.6.2.3.2.4)(承認時評価資料)
[略語]
CYP = チトクロームP450
最終更新日: 2021年12月
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