マンジャロ ® (チルゼパチド)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
2型糖尿病患者にマンジャロ(チルゼパチド)を投与した際の食欲への影響は?
国内第3相試験であるGPGO試験(SURPASS J-mono)補遺において、全てのチルゼパチド群で満腹感のスコアが有意に上昇し、チルゼパチド10 mg群及び15 mg群で空腹感のスコアが有意に低下しました。また、海外第1相試験であるGPGT試験では、チルゼパチドはプラセボと比較して自由摂食試験での摂食量を有意に減少させました。(参考情報)
[解説]
≪GPGO試験(SURPASS J-mono)補遺における食欲に対する影響≫(参考情報)
日本人2型糖尿病患者を対象にチルゼパチド投与とデュラグルチド投与を比較検討した国内第3相試験であるGPGO試験(SURPASS J-mono)補遺において、試験食摂取後の満腹感及び空腹感をVASスコアにより検討しました1)。
■満腹感
投与32週時の満腹感のスコアは、いずれの投与群でもベースラインから統計学的に有意に上昇しました[チルゼパチド5 mg群及び10 mg群、デュラグルチド0.75 mg群(いずれもp<0.05)、チルゼパチド15 mg群(p<0.01)]1)。
なお、ベースラインから32週時までの変化量では、いずれのチルゼパチド群もデュラグルチド0.75 mg群との間で統計学的に有意な差は認められませんでした1)。
■空腹感
投与32週時の空腹感のスコアは、チルゼパチド10 mg群及び15 mg群でベースラインから統計学的に有意に低下しました(いずれもp<0.05)1)。
なお、ベースラインから32週時までの変化量では、いずれのチルゼパチド群もデュラグルチド0.75 mg群との間で統計学的に有意な差は認められませんでした1)。
≪GPGT試験における食欲及び摂食量に対する影響≫(参考情報)
外国人2型糖尿病患者を対象とした海外第1相試験であるGPGT試験において、チルゼパチド(45例)、セマグルチド(44例)又はプラセボ(28例)を週1回、28週間反復皮下投与したときの自由なビュッフェ形式での摂食量を比較しました。チルゼパチドは初回投与量を2.5 mgとし、維持用量に達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ増量し、維持用量を15 mgとしました。セマグルチドは初回投与量を0.25 mgとして4週間投与し、0.5 mgを4週間投与後、1 mgを維持用量として投与しました。
その結果、チルゼパチド群はプラセボ群と比較して自由摂食試験での摂食量を有意に減少させました[-309.8kcal、95%CI(-423.0、-196.6)、p<0.001、MMRM]。チルゼパチド群とセマグルチド群との比較では、摂食量に有意な差は認められませんでした[-64.3kcal、95%CI(-160.3、31.7)、p=0.187、MMRM]2,3)。
[引用元]
Yabe D et al. Change of pharmacodynamics parameters following once-weekly tirzepatide treatment versus dulaglutide in Japanese patients with type 2 diabetes (SURPASS J-mono sub-study). Diabetes Obes Metab. 2022 Oct 2. Online ahead of print. (HMN30779)
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.2.2.2.6.1(承認時評価資料)
Heise T, Mari A, DeVries JH,et al. Effects of subcutaneous tirzepatide versus placebo or semaglutide on pancreatic islet function and insulin sensitivity in adults with type 2 diabetes: a multicentre, randomised, double-blind, parallel-arm, phase 1 clinical trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(6):418-429.(HMN30755)
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.6.19.1(承認時評価資料)
Inagaki N, Takeuchi M, Oura T, et al. Efficacy and safety of tirzepatide monotherapy compared with dulaglutide in Japanese patients with type 2 diabetes (SURPASS J-mono): a double-blind, multicentre, randomised, phase 3 trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2022;10(9):623-633. (HMN30759)
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.6.10.1(承認時評価資料)
[略語]
VAS = 視覚的アナログ尺度
GPGO試験(SURPASS J-mono) 試験概要4,5)
試験デザイン |
第III相、多施設共同、無作為化、実薬対照、二重盲検、並行群間試験 |
対象 |
食事・運動療法で血糖コントロールが不十分な日本人2型糖尿病患者 636例 |
方法 |
チルゼパチドは週1回、52週間皮下投与した。チルゼパチド5 mg群、10 mg群及び15 mg群のいずれでも初回投与量を2.5 mgとし、維持用量に達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ増量し、維持用量を5 mg、10 mg又は15 mgとした。用量漸増期間は最大24週間であり、最も用量漸増期間が長いチルゼパチド15 mg群では、20週間かけてチルゼパチド15 mgまで増量した後に、維持用量を4週間投与して定常状態に到達させた。デュラグルチドは、0.75 mgを週1回、52週間皮下投与した。 |
GPGO試験(SURPASS J-mono)補遺 試験概要1)
試験デザイン |
第III相、多施設共同、無作為化、実薬対照、二重盲検、並行群間試験 |
対象 |
GPGO試験に参加した患者のうち、補遺への参加に同意した日本人2型糖尿病患者 48例(男性41例、女性7例) |
方法 |
チルゼパチドは週1回、52週間皮下投与した。チルゼパチド5 mg群、10 mg群及び15 mg群のいずれでも初回投与量を2.5 mgとし、維持用量に達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ増量し、維持用量を5 mg、10 mg又は15 mgとした。用量漸増期間は最大24週間であり、最も用量漸増期間が長いチルゼパチド15 mg群では、20週間かけてチルゼパチド15 mgまで増量した後に、維持用量を4週間投与して定常状態に到達させた。 デュラグルチドは、0.75 mgを週1回、52週間皮下投与した。 |
GPGT試験 試験概要3,6)
試験デザイン |
第I相、多施設共同、無作為化、治験依頼者、被験者及び評価者盲検、並行群間試験 |
対象 |
2型糖尿病患者117例(外国人) |
方法 |
チルゼパチドは週1回、28週間皮下投与した。初回投与量を2.5 mgとし、維持用量の15 mgに達するまで4週間ごとに2.5 mgずつ増量した。 セマグルチド又はプラセボは週1回、28週間皮下投与した。セマグルチドは初回投与量を0.25 mgとして4週間投与し、0.5 mgを4週間投与後、1 mgを維持用量として投与した。 |
最終更新日: October 2022
お探しの情報が見つからない場合は、こちら よりお問い合わせください。