マンジャロ ® (チルゼパチド)
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2型糖尿病患者にマンジャロ(チルゼパチド)を投与した際の胃内容排出への影響は?
2型糖尿病患者で、チルゼパチド5 mgの初回投与後にアセトアミノフェンのCmaxが約50%低下及びtmaxが約1時間遅延し胃内容排出遅延作用が示唆されました。 2型糖尿病患者にチルゼパチド5 mg(固定用量)を週1回4週間反復投与したとき、4回目の投与後にタキフィラキシーが認められました。
[解説]
本試験には一部承認用法及び用量と異なる成績が含まれますが、承認時評価資料であるため掲載します。
2型糖尿病患者で、チルゼパチド5 mgの初回投与後にアセトアミノフェン*のCmaxが約50%低下及びtmaxが約1時間遅延し胃内容排出遅延作用が示唆されました1)。
2型糖尿病患者にチルゼパチド5 mg(固定用量)を週1回4週間反復投与したとき、4回目の投与後にタキフィラキシーが認められました1)。外国人2型糖尿病患者におけるアセトアミノフェンの薬物動態パラメータに及ぼすチルゼパチドの影響の詳細は以下に示す表のとおりでした。
表1)外国人2型糖尿病患者におけるアセトアミノフェンの薬物動態パラメータに及ぼすチルゼパチドの影響(GPGA試験)1,2,3)
併用薬 |
チルゼパチド 投与量 |
チルゼパチド 投与 |
例数 |
併用薬に対する影響 |
||
Cmax比 [95%CI] |
AUC0-last比 [95%CI] |
tmax差(hr) [95%CI] |
||||
アセトアミノフェン 1 g注1) |
0.5 mg注2) |
1回目 |
9/11 |
1.10 [0.83, 1.45] |
1.11 [0.88, 1.39] |
0.0 [-1.00, 1.00] |
4回目 |
9/11 |
1.15 [0.87, 1.52] |
1.09 [0.87, 1.37] |
-0.17 [-1.00,1.00] |
||
5 mg |
1回目 |
8/11 |
0.50 [0.37, 0.66] |
0.75 [0.59, 0.95] |
1.00 [0.00, 2.25] |
|
4回目 |
6/11 |
0.92 [0.67, 1.26] |
1.05 [0.82, 1.36] |
0.83 [-1.00, 2.00] |
||
10 mg注3) |
4回目 |
11/11 |
0.64 [0.49, 0.83] |
1.04 [0.84, 1.29] |
1.00 [0.00, 2.00] |
|
15 mg注4) |
4回目 |
10/11 |
0.60 [0.46, 0.79] |
1.07 [0.86, 1.33] |
1.00 [1.00, 2.00] |
|
例数:チルゼパチド併用投与時/チルゼパチド非投与時 Cmax比及びAUC0-last比:プラセボ群に対するチルゼパチド群の最小二乗幾何平均値の比 tmax差:プラセボ群に対するチルゼパチド群の中央値の差 注1)アセトアミノフェンは、チルゼパチド初回投与24時間後及びチルゼパチド4回目投与24時間後に投与された 注2)国内未承認用量※ 注3)チルゼパチド5、5、10、10 mgの順に週1回投与 注4)チルゼパチド5、5、10、15 mgの順に週1回投与 |
※本剤の承認された用法・用量は以下のとおりです。
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回5 mgを維持用量とし、皮下注射する。ただし、週1回2.5 mgから開始し、4週間投与した後、週1回5 mgに増量する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5 mgずつ増量できる。ただし、最大用量は週1回15 mgまでとする。
*アセトアミノフェンは胃からはほとんど全く吸収されずに小腸から速やかに吸収されるので、胃内容物の排出速度を評価する試験薬として使用されます4)。
[引用元]
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.2.2.2.2.1(承認時評価資料)
Urva S, Coskun T, Loghin C, et al. The novel dual glucose-dependent insulinotropic polypeptide and glucagon-like peptide-1 (GLP-1) receptor agonist tirzepatide transiently delays gastric emptying similarly to selective long-acting GLP-1 receptor agonists Diabetes Obes Metab. 2020; 22(10):1886-1891.(HMN30757)
中田浩二. アセトアミノフェン法胃排出能検査における新しい薬理学的指標の導入による定量的な評価の試み. 臨床薬理,30,1,252-252,1999.(HMN30789)
[略語]
Cmax=最高濃度
AUC0-last=0時間から最終定量可能時点までの濃度‐時間曲線下面積
tmax=最高濃度到達時間
GPGA試験 試験概要1,2)
試験デザイン |
第I相、多施設共同、無作為化、プラセボ対照、被験者及び評価者盲検(チルゼパチド及びプラセボ)、非盲検(デュラグルチド)、3パート試験 |
対象 |
試験に組み入れられた被験者 146例(外国人) 治験薬の投与を1回以上受けた被験者 142例 パートA及びB: 21歳以上70歳以下の健康被験者 89例(男性86例、女性3例) パートC: 21歳以上70歳以下の2型糖尿病患者 53例(男性28例、女性25例) |
方法 |
パートA:チルゼパチド0.25、0.5、1.0、2.5、5.0、8.0 mg注1)又はプラセボを単回皮下投与 パートB:チルゼパチド、プラセボ又はデュラグルチド1.5 mg注2)のいずれかを週1回4週間皮下投与 チルゼパチドは0.5、1.5又は4.5 mg固定用量注1)を週1回4週間投与もしくは5/5/8/10 mg注1)の順に週1回用量漸増投与 パートC:チルゼパチド又はプラセボのいずれかを週1回4週間皮下投与 チルゼパチドは0.5 mg又は5 mg固定用量注1)を週1回4週間投与もしくは5/5/10/10 mg又は5/5/10/15 mg注1)の順に週1回用量漸増投与
注1)本剤の承認された用法・用量は以下のとおりです。 通常、成人には、チルゼパチドとして週1回5 mgを維持用量とし、皮下注射する。ただし、週1回2.5 mgから開始し、4週間投与した後、週1回5 mgに増量する。 なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5 mgずつ増量できる。ただし、最大用量は週1回15 mgまでとする。 注2)デュラグルチドの承認された用法・用量は、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75 mgを週に1回、皮下投与です。 |
最終更新日: January 2023
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