マンジャロ ® (チルゼパチド)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
マンジャロ(チルゼパチド)を2型糖尿病の腎機能障害患者および透析患者に投与してもよいか?投与する際の注意点は?
臨床試験において重度の腎機能障害患者での十分な使用成績がないため慎重な経過観察をお願いいたします。
臨床試験において重度の腎機能障害患者での十分な使用成績がないため慎重な経過観察をお願いいたします。
腎機能低下患者では、C-ペプチド値がみかけ上高値に出る場合があり、インスリン依存/非依存状態の鑑別が難しい場合がありますので、特に腎機能低下が認められる患者でのインスリン製剤からの切り替えに際しましては、ご注意いただきますようお願いいたします1)。
<参考>
海外第1相試験(GPGG試験)において腎機能障害もしくは末期腎疾患(ESRD)を有する被験者にチルゼパチド5 mgを単回投与後のPKパラメーターに及ぼす腎機能の影響は以下のとおり(表1、表2)でした。
表1)チルゼパチド5 mg単回投与後のチルゼパチドのPKパラメータに及ぼす腎機能の影響(GPGG試験)2)
パラメータ |
腎機能障害の程度 |
例数 |
最小二乗幾何平均値 |
腎機能正常被験者に対する比(90%CI) |
AUC0-∞ |
正常 |
13 |
80503 |
- |
軽度 |
8 |
84247 |
1.05(0.86, 1.27) |
|
中等度 |
8 |
103955 |
1.29(1.07, 1.56) |
|
重度 |
6 |
83026 |
1.03(0.84, 1.27) |
|
末期 |
8 |
93395 |
1.16(0.96, 1.40) |
|
Cmax |
正常 |
13 |
339 |
- |
軽度 |
8 |
353 |
1.04(0.84, 1.30) |
|
中等度 |
8 |
369 |
1.09(0.87, 1.36) |
|
重度 |
6 |
417 |
1.23(0.97, 1.56) |
|
末期 |
8 |
347 |
1.02(0.82, 1.27) |
|
パラメータ |
腎機能障害の程度 |
例数 |
幾何平均値 |
変動係数(%) |
t1/2 |
正常 |
14 |
121 |
94.4–145 |
軽度 |
8 |
121 |
94.6–138 |
|
中等度 |
8 |
147 |
118–195 |
|
重度 |
7 |
117 |
105–128 |
|
末期 |
8 |
151 |
124–206 |
AUC0-∞=0時間から無限時間まで外挿した濃度‐時間曲線下面積、Cmax=最高濃度、t1/2=消失半減期、CI=信頼区間
表2)チルゼパチド5 mg単回投与後のチルゼパチドのtmaxに及ぼす腎機能の影響(GPGG試験)2)
パラメータ |
腎機能障害の程度 |
例数 |
中央値 |
腎機能正常被験者との差の中央値 |
90%CI |
tmax |
正常 |
13 |
48.00 |
- |
- |
軽度 |
8 |
48.00 |
0.00 |
(-24.00, 36.00) |
|
中等度 |
8 |
60.00 |
0.00 |
(-23.50, 36.03) |
|
重度 |
6 |
18.00 |
-24.00 |
(-72.00, 0.00) |
|
末期 |
8 |
48.00 |
0.00 |
(-24.25, 36.00) |
tmax=最高濃度到達時間、CI=信頼区間
[引用元]
-
インクレチン(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬)の適正使用に関する委員会からのリコメンデーション(2011年9月29日修正)
-
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.2.2.2.4.2(承認時評価資料)
-
マンジャロ申請資料概要CTD2.7.6.7.1(承認時評価資料)
-
Urva S, Quinlan T, Landry J, et al. Effects of Renal Impairment on the Pharmacokinetics of the Dual GIP and GLP-1 Receptor Agonist Tirzepatide : Clin Pharmacokinet. 2021; 60(8): 1049-1059.(HMN30770)
[略語]
PK=薬物動態
tmax=最高濃度到達時間
eGFR=推算糸球体濾過量
GPGG試験 試験概要3,4)
試験デザイン |
第I相、多施設共同、非盲検、並行群間、単回投与試験 |
対象 |
年齢40~84歳の45例(男性30例、女性15例)(外国人) そのうち、Modification of Diet in Renal Disease(MDRD)のeGFRによる重症度に基づき分類された被験者は以下のとおりである。 ・腎機能正常被験者(90 mL/min/1.73 m2以上):14例(2型糖尿病患者を含まない) ・軽度腎機能障害患者(60~89 mL/min/1.73 m2):8例(2型糖尿病患者2例含む) ・中等度腎機能障害患者(30~59 mL/min/1.73 m2):8例(2型糖尿病患者1例含む) ・重度腎機能障害患者(30 mL/min/1.73 m2未満、ただし透析を受けていない):7例(2型糖尿病患者2例含む) ・末期腎疾患患者(透析を必要とする):8例(2型糖尿病患者1例含む) |
方法 |
被験者は、投与前日のeGFRに基づく腎機能障害の重症度に従って、5つのグループ(軽度、中等度又は重度の腎機能障害患者、末期腎疾患患者、腎機能正常被験者)のいずれかに割り付けられ、すべての被験者にチルゼパチド5 mgを単回皮下投与注)した。 末期腎疾患患者では、チルゼパチド投与後の最初の透析は、チルゼパチド投与から少なくとも24時間後に開始した。 |
注)本剤の承認された用法・用量は以下のとおりです。
通常、成人には、チルゼパチドとして週1回5 mgを維持用量とし、皮下注射する。ただし、週1回2.5 mgから開始し、4週間投与した後、週1回5 mgに増量する。
なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回5 mgで効果不十分な場合は、4週間以上の間隔で2.5 mgずつ増量できる。ただし、最大用量は週1回15 mgまでとする。
最終更新日: 2022年12月
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