トルリシティ ® (デュラグルチド(遺伝子組換え))
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抗デュラグルチド抗体はトルリシティ(デュラグルチド)の有効性又は安全性に影響するか?
国内第III相試験(GBDP試験、 GBDY試験、GBDQ試験)において、デュラグルチド投与後に抗デュラグルチド抗体を発現した被験者の割合は910例中13例(1.4%)でした。
[解説]
国内第III相試験(GBDP試験、GBDY試験、GBDQ試験)において、抗デュラグルチド抗体は910例中13例(1.4%)に認められました1)。
<有効性>2)
国内第III相試験(GBDP試験、GBDY試験、GBDQ試験)において、ベースラインからのHbA1c変化量(平均値±標準偏差)は、投与26週時では抗デュラグルチド抗体陽性で−1.41 ± 1.54%(n=13)、抗体陰性で−1.60 ± 0.89%(n=839)、投与52週時では抗デュラグルチド抗体陽性で−1.58 ± 1.52%(n=12)、抗体陰性で−1.55 ± 0.97%(n=662)でした。
<安全性>2)
GBDP試験において、抗デュラグルチド抗体陽性3例のうち、2例で有害事象(軽度のリパーゼの増加/鼻咽頭炎、腰部脊柱管狭窄症/接触性皮膚炎)が認められました。1例では有害事象は認められませんでした。
GBDY試験において、抗デュラグルチド抗体陽性の1例において、軽度の悪心の有害事象が認められました。
GBDQ試験において、抗デュラグルチド抗体陽性9例のうち、有害事象は7例25件(表1)認められました。チアゾリジン系薬剤併用群の1例2件(脂肪肝(軽度から中等度への悪化)/体重増加)と速効型インスリン分泌促進剤併用群の1例1件(不眠症)が中等度であり、その他はすべて軽度な事象でした。
海外の第II相及び第III相試験においてデュラグルチド投与後に抗デュラグルチド抗体陽性の被験者の割合は0~3.7%で、合計64例に抗デュラグルチド抗体が発現しました。このうち、8例に重篤な有害事象(低血糖2例、リンパ節炎、虫垂炎、骨髄炎、胃腸炎、不安定狭心症、腸炎/低血糖、各1例)が認められましたが、治験薬の投与が中止された被験者はいませんでした。
表1:GBDQ試験における抗デュラグルチド抗体陽性患者に発現した有害事象
併用薬 |
有害事象 |
スルホニルウレア剤 |
鼻咽頭炎、紫斑 |
チアゾリジン系薬剤 |
腹部膨満、悪心、関節痛、裂傷、足部白癬、気管支炎(2件)、痔核、下痢、注射部位そう痒感、リパーゼ増加、アミラーゼ増加、脂肪肝、胃炎、糖尿病網膜症、体重増加 |
速効型インスリン分泌促進剤 |
注射部位そう痒感、鼻咽頭炎、体重増加、不眠症、便秘、痛風、関節痛 |
[引用元]
トルリシティ審査報告書
最終更新日: August 2023
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