トルツ ® (イキセキズマブ(遺伝子組換え))
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トルツ(イキセキズマブ)の臨床試験において尋常性乾癬と他の乾癬(膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬)の日本人での有害事象発現率はどのようであったか?
尋常性乾癬と他の乾癬(膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症、関節症性乾癬)における、トルツ(イキセキズマブ)の有害事象発現率は以下の通りでした。
[解説]
日本人の乾癬患者を対象とした第III相臨床試験UNCOVER-Jでは、尋常性乾癬患者(局面型皮疹を有する乾癬患者)、乾癬性紅皮症患者、膿疱性乾癬患者にイキセキズマブが投与されました1)。
導入投与期間及び維持投与期間にイキセキズマブを投与された全被験者おける1件以上の有害事象が認められた被験者の割合は、局面型皮疹を有する乾癬患者で85.9%(67/78例)、乾癬性紅皮症患者で87.5%(7/8例)、膿疱性乾癬患者で100%(5/5例)でした。試験期間中に死亡はありませんでした。局面型皮疹を有する乾癬患者では、1件以上の重篤な有害事象が認められた被験者の割合、及び1件以上の試験中止に至った有害事象が認められた被験者の割合は、いずれも3.8%(3/78例)でした。導入投与期間及び維持投与期間のいずれの投与期間においても、乾癬性紅皮症患者及び膿疱性乾癬患者に重篤な有害事象及び中止に至った有害事象は認められませんでした2)。
乾癬患者を対象とした第III相臨床試験UNCOVER-1、UNCOVER-Jにおいて、計14例(UNCOVER-1:3例、UNCOVER-J:11例)の日本人乾癬患者が関節症性乾癬の分類基準(CASPAR基準)に基づき関節症性乾癬とも診断され、イキセキズマブの投与を受けました3)。第III相臨床試UNCOVER-1の60週時まで及び第III相臨床試験UNCOVER-Jの52週時までの治験薬投与期間中、全例に有害事象が認められ、治験薬との因果関係が否定できない有害事象は、64.3%(9/14例)(第III相臨床試UNCOVER-1で1例、第III相臨床試験UNCOVER-Jで8例)で認められました。重症度が高度の有害事象は、深部静脈血栓症、肺塞栓症、大静脈フィルター挿入(全て第III相臨床試験UNCOVER-Jの同一被験者で発現)であり、それ以外の有害事象の重症度は軽度から中等度でした。死亡はありませんでした。重篤な有害事象は第III相臨床試験UNCOVER-Jの1例で深部静脈血栓症及び肺塞栓症が認められました。試験中止に至った有害事象は第III相臨床試験UNCOVER-1、UNCOVER-Jで1例ずつ認められました(第III相臨床試UNCOVER-1でアレルギー性浮腫、第III相臨床試UNCOVER-Jで肺塞栓症)4)。
[引用元]
1. H SaekI,et al.: JOURNAL OF THE EUROPEAN ACADEMY OF DERMATOLOGY AND VENEREOLOGY,29,6,1148-1155,2015(AIM0011)
2. トルツ申請資料概要 CTD2.7.4.5.1.3 (承認時評価資料)
3. Gordon KB, et al.:N. Engl. J. Med. 2016; 375(4): 345-356(AIM00326)
4. トルツ申請資料概要 CTD2.7.4.5.2 (承認時評価資料)
最終更新日: 2022年08月
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