トルツ ® (イキセキズマブ(遺伝子組換え))

添付文書

以下の情報はご要望にお答えするためのものであり、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる可能性がありますのでご注意ください。薬剤の使用に際しては、最新の添付文書をご確認ください。

トルツ(イキセキズマブ)の炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)の発現状況は?

イキセキズマブの臨床試験における炎症性腸疾患の発現状況は以下の通りでした。

解説

[乾癬患者における発現状況]

乾癬患者を対象とした7件の臨床試験の併合解析において、クローン病は0.1%4/4204例)、潰瘍性大腸炎は0.2%9/4204例)に認められました。炎症性腸疾患の発現に用量反応性は認められませんでした。

[発現状況]

 乾癬患者を対象とした7*の臨床試験の併合解析において、クローン病の発現割合は0.1%4/4204例)、さらにクローン病に関連すると考えられる事象が4例(肛門膿瘍2例、痔瘻1例、直腸膿瘍1例)認められました。また、潰瘍性大腸炎の発現割合は0.2%9/4204例)でした。そのうち重篤な有害事象は、クローン病関連(クローン病、直腸潰瘍、痔瘻)0.1%5/4204例)、炎症性腸疾患0.05%2/4204例)、また中止に至った有害事象は、クローン病、潰瘍性腸疾患でそれぞれ0.1%4/4204例)でした。

なお、乾癬を対象とする臨床試験においてイキセキズマブを1回以上投与された日本人集団ではクローン病は認められず、潰瘍性大腸炎が1例(0.8%)に認められました1

 

[増悪(悪化)の有無]

乾癬患者を対象とした7*の臨床試験の併合解析において、試験組入れ前に潰瘍性大腸炎又はクローン病に関連する事象が診断されていた被験者のうち、3例はクローン病に関連する事象(2例:肛門膿瘍、1 例:痔瘻)と診断されていましたが、いずれも試験中にクローン病の増悪は認められませんでした。有害事象として報告された4例のクローン病はいずれも新規に診断されたものでした(さらに後観察期間で別の1 例に発現した事象は、当初は過敏性腸症候群と診断されていましたが、その後クローン病と診断されたため試験中止に至りました)。試験参加前に潰瘍性大腸炎と診断された11例中の4例は、試験中に潰瘍性大腸炎の増悪が認められました。合計10例に、潰瘍性大腸炎の新規診断又は既存の潰瘍性大腸炎の増悪が認められました(発現時点で9例がイキセキズマブの投与を受けていました)1


*RHAGRHAJRHATRHAZUNCOVER-1)、RHBAUNCOVER-2)、RHBC UNCOVER-3)及びRHBLUNCOVER-A)試験

(解析時点で試験完了していたRHAG試験 を除き、継続中だった試験のデータカットオフ 日はRHBA 試験が2014 10 1 日、その他の試験は2014 9 15 日)


[用量反応性]

炎症性腸疾患の発現割合は、イキセキズマブQ4W投与群とイキセキズマブQ2W投与群で同程度であり、用量反応性は認められませんでした1


<参考:IXORA-P試験における発現状況>

乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(IXORA-P)の二重盲検投与期間(52週まで)において、炎症性腸疾患に関連する有害事象の発現割合は、イキセキズマブQ4W投与群0.3%1/310例)、イキセキズマブQ2W投与群0.5%3/609例)で、投与群間に差は認められませんでした。内訳は、クローン病がイキセキズマブQ4W投与群の1例に、潰瘍性大腸炎がイキセキズマブQ2W投与群の2例に、炎症性腸疾患がイキセキズマブQ2W投与群の1例に、それぞれ認められました。イキセキズマブQ2W投与群の1例に認められた潰瘍性大腸炎及びイキセキズマブQ4W投与群の1例に認められたクローン病は重篤な有害事象でした。概して、炎症性腸疾患関連の報告された事象及び発現割合に関して、Q4W投与及びQ2W投与の間で臨床的に意味のある差は認められませんでした1


<参考:SPIRIT-P1試験における発現状況>

関節症性乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(SPIRIT-P1)の52週までにおいて、クローン病、潰瘍性大腸炎はイキセキズマブを投与された被験者では認められませんでした 1



[強直性脊椎炎患者における発現状況]

[盲検投与期間(COAST-V, COAST-W)]

強直性脊椎炎患者を対象とした第III相臨床試験(COAST-V, COAST-W)の盲検投与期間(16週間)の併合解析において、IBDに関連する有害事象の発現状況は以下の通りです1

全イキセキズマブ投与群の4 例(1.1%)及びプラセボ群の1 例(0.5%)に1 件以上のIBD に関連する有害事象が認められました。これら5例の被験者すべてが外部の臨床事象判定委員会でクローン病又は潰瘍性大腸炎の可能性があると判定されました。

イキセキズマブQ2W投与群:

  • 1 例(0.6%)に、特異的なTEAE であるクローン病が発現し、クローン病の可能性があると判定された

イキセキズマブQ4W投与群:

  • 3 例(1.5%)に、1 件以上のIBD に関連した特異的又は非特異的な有害事象が発現しました。
    1 例は、特異的有害事象であるクローン病を発現し、クローン病の可能性があると判定された。
    1 例は、特異的有害事象である潰瘍性大腸炎と、特異的有害事象である潰瘍性直腸炎を発現した。
    1 例は、非特異的TEAE である大腸炎を発現し、クローン病の可能性があると判定された。

プラセボ群:

  • 1 例(0.5%)に、特異的TEAE である炎症性腸疾患が発現し、クローン病の可能性があると判定された。

 

重篤な有害事象:

IBD に関連する重篤な有害事象は、イキセキズマブQ4W投与群及びイキセキズマブQ2W投与群にそれぞれ1 例発現したクローン病と、プラセボ群に1 例発現した炎症性腸疾患でした。

 

治験薬の投与中止:

イキセキズマブQ4W投与群の3 例がIBD に関連する有害事象により、治験薬の投与を中止しました。

[強直性脊椎炎患者における発現状況]

[長期投与期間(COAST-V, COAST-W)]

強直性脊椎炎患者を対象とした第III相臨床試験(COAST-V, COAST-W)の長期投与期間(52週間)の併合解析において、IBDに関連する有害事象の発現状況は以下の通りです1

9 例(1.4%)に1 件以上のIBD に関連する特異的な有害事象が発現しました。

  • 5 例(0.8%)に、特異的な有害事象であるクローン病が発現しました。これらの事象はすべて、新たに発現した事象でした。

    • 4 例は、クローン病の可能性があると判定された。

    • 1 例は、確定したクローン病と判定された。

  • 3 例(0.5%)に、特異的なTEAE である潰瘍性大腸炎が発現し、そのうちの1 例には潰瘍性直腸炎も発現した。

    • 2 例は、潰瘍性大腸炎の可能性があると判定された。そのうちの1 例に発現した潰瘍性直腸炎は、情報不足で分類されなかった。潰瘍性大腸炎はいずれも既存疾患の再燃であった。

    • 1 例は、確定した潰瘍性大腸炎と判定された。

  • 1例(0.2%)に、IBD に関連するTEAE が発現し、潰瘍性大腸炎の可能性があると判定された。潰瘍性大腸炎は既存疾患の再燃であった。

 

3 例(0.5%)に、1 件以上のIBD に関連した非特異的な有害事象である大腸炎が発現しました。

  • 1 例は、確定した潰瘍性大腸炎と判定された。

  • 1 例は、クローン病の可能性があると判定された。

  • 1 例は、非特異的TEAE である大腸炎を発現したが、IBD と判定されなかった。

 

なお、データカットオフ後に1例注)の報告が追加され長期投与期間(52週間)において合わせて13例(2.0%)とされています。
注)データカットオフ後に報告された1例は、臨床事例判定委員会に潰瘍性大腸炎と判定されています。

IBD に関連する特異的又は非特異的有害事象を発現した13 例のうち、11 例は可能性がある又は確定したクローン病又は潰瘍性大腸炎と臨床事象判定委員会により判定されました。イキセキズマブQ4W投与群の3 例には潰瘍性大腸炎の既往があり、イキセキズマブQ4W投与群の2 例にはIBDとともに起こりうる有害事象の既往がありました。

 

重篤な有害事象:

IBD に関連する重篤な有害事象は、5 例(0.8%)に発現しました。
イキセキズマブQ2W投与群:クローン病2 例、潰瘍性大腸炎1
イキセキズマブQ4W投与群:クローン病1
新たに追加された1 例(潰瘍性大腸炎)

治験薬の投与中止:

6 例(0.9%)が、IBD に関連する有害事象により、治験薬の投与を中止しました。
イキセキズマブQ2W投与群:クローン病1例、潰瘍性大腸炎各1
イキセキズマブQ4W投与群:クローン病1例、潰瘍性大腸炎1例、大腸炎1例
新たに追加された1 例(潰瘍性大腸炎)

Q2W = 2週間隔

Q4W = 4週間隔


 

[参考資料]

1. トルツ 承認時評価資料

最終更新日: 2019 M12 02


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