トルツ ® (イキセキズマブ(遺伝子組換え))

添付文書

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炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)とIL-17との関連は?トルツ(イキセキズマブ)投与によって炎症性腸疾患の発現リスクは上がるか?

インターロイキン(IL)-17の中和により炎症性腸疾患のリスクが上昇するメカニズムは不明ですが、クローン病及び乾癬の成因にはIL-17及びIL-17産生T細胞が関与するとする報告もあり、イキセキズマブのIL-17A中和作用が炎症性腸疾患の病態に影響を及ぼす可能性は否定できません。

インターロイキン(IL-17の中和により炎症性腸疾患のリスクが上昇するメカニズムは不明ですが、クローン病及び乾癬の成因にはIL-17及びIL-17産生T細胞が関与するとする報告もあり1)、イキセキズマブのIL-17A中和作用が炎症性腸疾患の病態に影響を及ぼす可能性は否定できません2)

乾癬患者を対象としたイキセキズマブの臨床試験結果から、イキセキズマブ投与群において炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)の発現割合は低いものの、乾癬患者を対象とした観察研究3)で報告された発現率と比較すると高いものでした。

なお、クローン病患者は、乾癬の合併が多く、乾癬患者ではクローン病の罹患率が乾癬に罹患していない患者に比べて4倍程度高いことが知られています3)


[臨床試験における炎症性腸疾患の悪化]

乾癬患者を対象とした7つの臨床試験(UNCOVER-1, 2, 3, JRHBL試験、RHAJ試験及びRHAG試験)の併合解析の結果、試験への組入れ前にクローン病と診断されていた被験者では、試験中にクローン病の増悪は認められませんでしたが、潰瘍性大腸炎と診断されていた被験者の約半数(4/11例)で試験中に潰瘍性大腸炎の増悪が認められました5)


[炎症性腸疾患と乾癬]

炎症性腸疾患と乾癬の疫学的な調査によれば、潰瘍性大腸炎の有病率は乾癬患者群において非乾癬患者群と比較して高く(0.5%:乾癬患者群0.3%:非乾癬患者群、p =0.002)、クローン病の有病率も同様の結果でした(0.5%:乾癬患者群0.2%:非乾癬患者群、p = 0.0011)。また、米国における女性を対象としたNurses’Health Study によると、乾癬患者の潰瘍性大腸炎とクローン病の発現率はそれぞれ0.02/100人年、0.04/100人年であり、非乾癬患者に対してそれぞれ1.5倍、5倍高くなりました3)。さらに最新の文献によれば、病院皮膚科医の診断または全身療法を受けていることをもって重度と定義された乾癬患者において、潰瘍性大腸炎とクローン病の発現率はそれぞれ約0.07-0.09/100人年、約0.04-0.05/100人年でした6)

イキセキズマブの乾癬を対象とした臨床試験の炎症性腸疾患の発現割合[乾癬患者を対象としたすべての試験の併合解析セットにおける、潰瘍性大腸炎の発現割合:9/4204例(0.2%)、クローン病の発現割合:8/4204例(0.2%)]はセクキヌマブの乾癬を対象にした試験結果と同様であり(Secukinumab AdComm BD 2014)、概して低いという結果でした。しかしながら、その発現率は上述の研究で示されている発現率と比べて高くなりました3) 6)


以上より、IL-17と炎症性腸疾患との正確な関連性は不明であること、また、イキセキズマブの試験参加前に潰瘍性大腸炎と診断された11例中の4例は、試験中に増悪が認められていることから、炎症性腸疾患患者(潰瘍性大腸炎・クローン病)を慎重投与に設定しました。




<参考:イキセキズマブと他剤の発現状況について>

乾癬患者を対象としたイキセキズマブの試験結果は、IL-17A阻害剤であるセクキヌマブの試験で報告された結果4) と同様でした。全体として、炎症性腸疾患の発現率は、中等症から重症の局面型皮疹を有する患者集団での発現率よりも高値を示唆しますが、イキセキズマブと他のIL-17A阻害剤間では同程度でした5)


[参考資料]

1) Skroza N et al. Biomed Res Int. 2013;2013:983902

2) トルツ 適正使用ガイド

3) Li WQ et al. Ann Rheum Dis. 2013;72(7):1200-1205

4) Secukinumab AdComm BD 2014Secukinumab (AIN457) ADVISORY COMMITTEE BRIEFING MATERIAL: AVAILABLE FOR PUBLIC RELEASE Prepared by Novartis Pharmaceuticals Corporation for the Dermatologic and Ophthalmic Drugs Advisory Committee Meeting. September 2014. Available at:

http://docplayer.net/15477328-Secukinumab-ain457-advisory-committee-briefing-material-available-for-public-release.html

5) トルツ 承認時評価資料

6) BRITISH JOURNAL OF DERMATOLOGY,175,3,487-492,2016

最終更新日: 2019 M09 19


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