トルツ ® (イキセキズマブ(遺伝子組換え))
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尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症において従来型疾患修飾性抗リウマチ薬(csDMARDs:シクロスポリン、メトトレキサート)からトルツ(イキセキズマブ)への切り替え方法は?
csDMARD等による既存の全身療法からイキセキズマブへの切り替え方法に関して、ガイドライン等で推奨された方法や、臨床試験で有効性・安全性が確認された方法はありません。
[解説]
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症においてcsDMARD等による既存の全身療法からイキセキズマブへの切り替え方法に関して、ガイドライン等で推奨された方法や、臨床試験で有効性・安全性が確認された方法はありません。
なお、乾癬患者を対象とした第III相臨床試験(UNCOVER-1,2,3,J)では、ベースラインまでの4週前までに、生物学的製剤以外の乾癬の全身療法又は光線療法による治療を中止した患者が組み込まれました1-4)。
<参考>
日本皮膚科学会による「乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス」では、シクロスポリンからの切り替えについて以下の記載があります5)。
「シクロスポリンから生物学的製剤への切り替えを行う場合、インフリキシマブの国内臨床試験では切り替えの直前にシクロスポリンを中止しても、悪化を認めることなく速やかにPASIスコアが減少しており、安全性においても特筆すべき問題は生じていない。セクキヌマブでも同様に、シクロスポリンからの直接切り替えが可能であることが示されている。しかし他の薬剤では、シクロスポリンからの切り替え時に症状再燃が懸念される場合に限って、シクロスポリンを数週間(2〜8 週間程度)生物学的製剤と併用することは、薬剤の切り替えを円滑に行うための有用な手段として、欧米のガイドラインにも記載がある。ただし、実際の併用にあたっては患者の年齢や背景因子を慎重に考慮のうえ、患者に感染症のリスクについて十分説明するとともに、注意深い経過観察を行う必要がある。」
Mrowietzらによる2014のEU Expert Consensusには、以下の記載があります6)。
Recommendations for transitioning from conventional systemic therapy to biological therapy(Table6)
1. 安全性を原因とした切り替えの場合は treatment-free interval が必要
2. 効果不十分を原因とした切り替えの場合は、direct switchまたはoverlap期間ありを検討
3. 承認された導入期の投与量を守ること
[引用元]
1. トルツ申請資料概要 CTD 2.7.6.6 (承認時評価資料)
2. トルツ申請資料概要 CTD 2.7.6.7 (承認時評価資料)
3. トルツ申請資料概要 CTD 2.7.6.8 (承認時評価資料)
4. トルツ申請資料概要 CTD 2.7.6.9 (承認時評価資料)
5. 日本皮膚科学会/乾癬における生物学的製剤の使用ガイダンス(2019年版)
最終アクセス日:2022年8月10日
6. JOURNAL OF THE EUROPEAN ACADEMY OF DERMATOLOGY AND VENEREOLOGY,28,4,438-453,2014(AIM00019)
最終更新日: August 2022
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