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サインバルタ ® (デュロキセチン塩酸塩)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、最新の添付文書をご確認ください。
サインバルタ(デュロキセチン)の投与中止(特に突然の中止)による離脱症状の副作用の発現頻度、発現機序、対処法及び予防法は?
本剤における離脱症状を適正に評価するデザインを有した臨床試験は実施されておらず発現頻度は不明です。本剤の投与中止(特に突然の中止)により、不安、焦燥,興奮、浮動性めまい、錯感覚、頭痛、悪心及び筋痛等があらわれることが報告されており、投与を中止する場合には突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量してください。
[発現頻度]
国内臨床試験においては、本剤における離脱症状を適正に評価するデザインを有した臨床試験は実施されておらず発現頻度は不明です。
参考に、臨床試験で漸減投与せず直ちに中止した時に発現した有害事象及び、国内臨床試験における副作用の集計で離脱症状とされた件数、頻度を以下に記します。
<参考>
サインバルタ 添付文書(抜粋)1
「8.重要な基本的注意」
投与中止(特に突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚(電気ショック様感覚を含む)、頭痛、悪心及び筋痛等があらわれることが報告されている。投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。
(解説)(抜粋)2
海外における、慢性骨格筋痛*、糖尿病性神経障害に伴う疼痛、線維筋痛症に伴う疼痛、全般性不安障害*、腹圧性尿失禁*及び大うつ病性障害を対象としたプラセボ対照試験で、漸減投与せず直ちに中止した時に発現した有害事象**を比較した結果では、本剤群ではプラセボ群と比較して、浮動性めまい、頭痛、悪心等が有意に高い頻度で発現しました。
* 国内未承認適応症
** 本剤との因果関係の有無に関わらず見られた事象
表 投与終了(中止)後の有害事象2
(評価対象例数:デュロキセチン1582例、プラセボ1166例)
全有害事象:デュロキセチン512例(32.4%)、プラセボ256例(22.2%)
浮動性めまい:デュロキセチン121例(7.6%)、プラセボ10例(0.9%)
頭痛:デュロキセチン78例(4.9%)、プラセボ28例(2.4%)
悪心:デュロキセチン68例(4.3%)、プラセボ6例(0.5%)
全適応症での国内臨床試験(安全性評価対象例2079例)において、副作用報告事象名としての薬剤離脱症候群は0.29%、6例、離脱症候群0.05%、1例報告されています2。
・糖尿病性神経障害に伴う疼痛を対象とした国内臨床試験(安全性評価対象例507例)
薬剤離脱症候群:1例(0.2%)
離脱症候群:1例(0.2%)
・線維筋痛症に伴う疼痛を対象とした国内臨床試験(安全性評価対象例265例)
薬剤離脱症候群:5例(1.9%)
[発現機序]
デュロキセチンによる離脱症状の発現機序は不明ですが、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)の場合は、SSRIを長期に服用した後、セロトニン再取り込を中断するとセロトニン活性もしくは神経伝達の低下が生じ、これが原因であるという仮説があげられています3,4。
[対処法、予防法]
SSRIでの離脱症状発現時の対処法としてですが、中止前の処方用量を再開し、その後さらに漸減速度を緩めて漸減することが望ましいとされています5。
予防法としては、本剤の投与中止(特に突然の中止)により、不安、焦燥、興奮、浮動性めまい、錯感覚(電気ショック様感覚を含む)、頭痛、悪心及び筋痛等があらわれることが報告されており、投与を中止する場合には、突然の中止を避け、患者の状態を観察しながら徐々に減量ください1。
<参考>
デュロキセチンを中止する場合に決められた方法はありませんが、可能な限り2週間以上かけてデュロキセチンを減量することが望ましいと考えられています6
また、国内の全適応症の第3相長期(継続)投与試験の漸減期として、20 mg/週ずつ減量していました2。
1. サインバルタ 添付文書 https://www.lillymedical.jp/jp/JA/_Assets/non_public/Cymbalta/PDF/CYM_PI.pdf
3. 臨床精神医学,43,11,1661-1666,2014
6. Perahia DG, Kajdasz DK, Desaiah D, Haddad PM. Symptoms following abrupt discontinuation of duloxetine treatment in patients with major depressive disorder. J Affect Disord. 2005;89(1-3):207-212.
最終更新日: 2020年6月12日
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