サインバルタ ® (デュロキセチン塩酸塩)
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サインバルタ(デュロキセチン)を腎機能障害患者に投与した場合の薬物動態と投与量調整の必要性は?
高度腎障害のある患者への投与は血中濃度が増加するため、禁忌です。軽度から中等度の腎障害患者への投与に関して、特に用量調整の必要性はありません。しかし、軽度から中等度の腎障害患者への投与は慎重投与となっていますので、投与の際はご注意ください。
[解説]
本剤の薬物動態試験(海外)において、高度の腎障害患者[クレアチニンクリアランス値が30 mL/min未満(透析患者)]と健康成人[クレアチニンクリアランス値が75 mL/min以上]との間でデュロキセチン60 mg空腹時単回経口投与時の薬物動態を比較しました。その結果、高度の腎障害患者では、健康成人と比べて最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度時間曲線下面積(AUC)はいずれも約2倍に増大し、それぞれ有意差が認められました1)~3)。半減期(T1/2)には有意差は認められませんでした1) 3)。
そのため、高度の腎障害患者(クレアチニンクリアランス値が30 mL/min未満)への投与は禁忌となっています1)。
軽度から中等度の腎障害患者への投与に関して、特に用量調整の必要性はありません。しかし、軽度から中等度の腎障害患者に対しては慎重に投与を行ってください1)~3)。
・高度の腎障害患者(12例)
AUC:1198.54 ng・hr/mL
Cmax:65.88 ng/mL
T1/2:12.89 hr
・健康成人(12例)
AUC:554.08 ng・hr/mL
Cmax:30.59 ng/mL
T1/2:13.32 hr
[引用元]
Lobo, E. D. et al.: Clinical Pharmacokinetics, 49(5): 311-321, 2010(CNS13440)
サインバルタ(うつ病・うつ状態)申請資料概要CTD2.7.4.5.1.2(承認時評価資料)
最終更新日: February 2023
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