ベージニオ ® (アベマシクリブ)
以下は適正使用情報として、本邦における承認事項(用法・用量、適応、剤形など)以外の情報が含まれる場合がございます。薬剤の使用に際しては、製品情報ページにある最新の電子化された添付文書をご確認ください。
ベージニオ(アベマシクリブ)による血清クレアチニン濃度増加の機序は?
アベマシクリブが腎尿細管のトランスポーターの働きを阻害し、血中から尿中に分泌されるクレアチニンの量が減少することで、血清クレアチニン濃度が上昇します。
[解説]
血中のクレアチニンの大部分は糸球体で濾過され、腎尿細管で再吸収されることなく尿中へ排泄されるため、腎臓の糸球体機能のマーカーとして広く用いられています。しかし、尿中に排泄されるクレアチニンのうち約10 ~ 40%は、腎尿細管のトランスポーターを介して血中から尿中に分泌されています1)。アベマシクリブは、このトランスポーターの働きを阻害するため、腎尿細管から分泌されるクレアチニンの量が減少し、血中のクレアチニン値が上昇します2)。したがって、アベマシクリブ投与中に血清クレアチニン値の上昇が認められても、必ずしも糸球体機能の障害や低下が起こっているわけではないと考えられます2)3)4)。
図 1. アベマシクリブによる血清クレアチニン濃度上昇の機序4)
1. Levey AS, Perrone RD, Madias NE. Serum creatinine and renal function. Annu Rev Med. 1988;39:465-90.
2. ベージニオ 申請資料概要(承認時評価資料) CTD 2.7.2.3.4.2.4
3. Dickler MN, Tolaney SM, Rugo HS, et al. MONARCH 1, a phase II study of abemaciclib, a CDK4 and CDK6 inhibitor, as a single agent, in patients with refractory HR+/HER2- metastatic breast cancer. Clin Cancer Res. 2017;23(17):5218-5224. Published correction appears in Clin Cancer Res. 2018;24(21):5475.
4. ベージニオ 適正使用ガイド https://www.lillymedical.jp/jp/JA/_Assets/non_public/Verzenio/PDF/ABE_TEKISEI_GUIDE.pdf
最終更新日: 2021年09月
お探しの情報が見つからない場合は、こちら よりお問い合わせください。